教養センターでの二年間はいかがでしたか?

日に2頭から3頭に乗れるんですが、馬に乗っていられることが楽しかったですね。体重の管理は大変ですが、無理な減量なんかはしませんし、楽しいことが多かったですよ。教養センターは栃木県の那須塩原にあるのですが、冬はかなり寒さが厳しい。つらいことは人それぞれなんでしょうが、僕は冬の寒さが厳しかったですね。本当に寒かった(笑)。
途中で教養センターをやめられてしまう人もいるようですが、やはり体重管理の難しさなんでしょうか?

体重が原因の人もいますけど、多くは違いますね。うまくチームワークが取れなかったり、ホームシックにかかってしまったり。教養センターは普通の学校と違いますから、二年間で騎手としての基礎を学ぶために時間に攻められる生活をしなければならないわけです。そうした生活環境にうまく順応できないと、家族や友達が恋しくなってしまうんですね。
時間に攻められるというのは?

きっちりと時間で管理されるということです。騎手になるためにこれは仕方のないことと分かっているのですが、やはりつらくなるときがある。まして多くの候補生は中学校を出たばかりの年齢ですから、ホームシックになっても不思議ではないと思います。
卒業後は弟さんと同じ大井競馬の所属になりましたね。兄弟揃ってやりたいという気持ちがありましたか?

いや、特にそういう気持ちはなかったです。ただ、テレビとかで見ていて、お客さんの多い競馬場で乗ってみたいという気持ちが強くありました。そこで、弟が所属する高岩隆先生(調教師)に手助けして頂いて、佐藤寿先生を紹介して貰うことができました。
騎手になってから戸惑ったことは?

教養センターを卒業して騎手になったのですが、まだまだプロとしての自覚がないわけですよ。実は今もまだその自覚が足りないんですが(笑)。それなのに、応援してくれるファンがいて、ときにはその人たちと会う機会もある。そのとき、憧れの表情で見られたりすると本当に戸惑いますね。自分としてはファンの人となんにも変わるところはないし、一流のスター騎手でもない。そんな騎手を応援してくれる人がこんなにいるんだということに驚かされますね。
初騎乗が昨年の4月19日で、初勝利は同月の24日。ヤマニンデュークという馬に騎乗してシリウス賞という特別戦を逃げ切りました。初勝利が特別戦というのは凄いですね。

馬の力です。レースでは逃げたんですが、不思議と馬が気持ち良く走っていることがよく分かったんです。
せっかく気持ち良く走っているのだから、その気持ちを邪魔しないように乗ろうと、そればかりを考えていました。ゴールするまで勝てるという気持ちにはならなかったですね。
デビューから二年目の現在、騎手という職業の魅力をどのように感じていますか?

好きな馬に乗って、多くのファンの前でレースができるわけです。やっぱり、騎手というのは競馬の華だと思いますし、他の職業ではなかなか味わえない魅力だと思いますよ。僕なんか、弟のレースを見ていてもまだまだ敵わないと感じることが多いですし、このままじゃいけない、もっと上を目指したいという気持ちが強くあります。本当に、もっともっと勉強しなくちゃいけないですよね。
教養センターの騎手課程の募集は昨年まで年二回でしたが、今年から年一回に変更になりました。騎手を目指す若者にとっては厳しい状況になっていますが、未来の後輩たちに、なにかアドバイスがあればお願いします。

募集が減ってしまったのは残念ですが、地方競馬の現状を考えると仕方のない部分もあります。希望通り教養センターに入ることができた人にですが、教官の言うことを真剣に聞いてくださいと言いたいですね。今だから分かる部分もあるのですが、教官は騎手になにが必要なのかを十分に分かって指導しています。その言葉を熱心に聞いて、うまく吸収して欲しいですね。それから、競馬、騎乗についての研究をして、自分に足りないところを二年間で見つけておくことが大事だと思います。成績を残している人は、これをしっかりしていたんじゃないかと思います。

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